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「加藤健一事務所公演“詩人の恋”」ロビー交流会

2008年10月29日(月)

加藤健一さん、畠中洋さんが、舞台を終えて交流会に参加してくださいました。

司会
終演間もないお疲れの中、ありがとうございます。まずは鳴門市民劇場から加藤さんにお礼をひとこと述べさせていただきます。鳴門市民劇場は今年7月、独立10周年を迎えましたが、その御祝いとして、加藤さんからビデオメッセージをいただきました。「独立10周年記念パーティ」で披露させていただき、参加者にはたいへん喜ばれました。ありがとうございました。
さて、加藤健一事務所さんには、これまで2001年に「銀幕の向うに」で、2005年には「煙が目にしみる」で、鳴門に来ていただいています。特に記憶に新しい「煙が目にしみる」は、会員に「今までで印象に残っている芝居は?」と尋ねたときに必ず上位に上がってくる作品です。「煙が目にしみる」では、加藤さんはとても楽しい「お婆ちゃん」役を演じられ、この大柄な身体を小さく見せることに工夫されたとうかがいましたが、今回の作品はそれとは一転、堂々と歌曲を歌われる教授役でした。色々なことができると驚かれた方も多いと思います。今回、ピアノ、歌とたいへんなご努力をされたと思いますが、そのあたりのお話からきかせていただけますか?
加藤
リート(ドイツの芸術歌曲。特にピアノ伴奏つきの独唱曲のことです)の先生役、マシュカン教授役の加藤健一です。初演時、最初この本を見つけたときには、「面白いけど、歌がこんなにあるので、公演は無理だろうな」と、ずっと本棚にしまったままになっていたんです。それが、時間がたってもう一度読んでみると、「台詞」が素晴らしかった。なので、歌の方は、たとえ下手でも目をつぶってもらうとして、公演を決心したわけです。その初演時は、1年間、クラシックを勉強、レッスンをしました。色々賞もいただいたりして、作品の評判はなかなかよかったんですが、でも自分では歌はもうひとつだと思っていました。再演、再々演まできて、つごう6年間練習してきて、やっと少しはよくなったかなという感じです。今日観ていただいた皆さん、よかったですねえ、初演を観なくて……(笑)。実はもう1回再演することも決まっています。ご紹介いただいたように、「煙が目にしみる」では「おばあちゃん役」、今回は「おじいちゃん役」……もうそろそろ若い役で来たいと思ってはいるんですが(笑)。
加藤健一
司会
さて、畠中さんの方は、音楽座のご出身で多くのミュージカル作品に出演されています。ミュージカルの主題歌などのレコーディングもされているとのことです。またミュージカルだけでなく俳優さんとしてもご活躍で、テレビドラマにも出られ、幅広い活動をされています。ご出身は山形県だそうですが、今回は9月中旬から四国へ入られ、松山、高知、香川、そして徳島へと来ていただきました。四国は多分初めてとのことで、印象などいかがでしょうか?
畠中
四国は、このように長期に回らせていただくのは初めてです。1月に「タン・ピエットの唄」という作品で高知市民劇場にのみ来させていただきましたが……。びっくりしたのは、四国はどこに行ってもお城があること。情緒、風情があっていいですね。でも仕事で回っているので、名所などになかなか行けません。是非プライベートで来たいなあと思います。
畠中洋
会員
今回は特に2人芝居ということもあって膨大な台詞でした。どのようにして覚えるのですか?
加藤
僕は俳優教室もやっていて、そこでそういったことも教えていますが、やっぱり覚え方は一人ひとり違いますね。自分の場合は、まず「場」に区切って考えます。その「場」で言わなければいけない「意味」を覚えるんです。そうすると、実際の台詞に近いことが自然に言えます。そして練習を重ねていくうちに段々本当の台詞に近くなっていきます。練習ではプロンプターという人がいて、脚本を見てチェックしてくれるので、そこで修正していくわけです。この方法だと忘れにくいですよ。また、たとえ忘れても「それらしいこと」が言えるので大事には至りません。
畠中
この作品の初演のときに編み出した方法なんですが……。ICレコーダーに加藤さんの台詞だけすべて入れて、自分のところは空けておきます。そしていつもそれを聞いて、相手の台詞をまず理解して、自分の台詞を...という感じで練習します。台詞を体の細胞に押し込める...という感じですかね。この方法はとても有効でした。
会員
たいへん面白かったです。加藤さん扮するマシュカン教授が腕まくりをして「焼印」のようなものを見せるシーンがありましたが、あれは本当に?
加藤
実際ユダヤ人の腕に刻印されていたのは「刺青」らしいです。(自分の袖をまくって、腕を見せ)僕の今回のこの印と比べて実際にはもっと小さいものらしいですが、舞台なので、大きめにしました。これ、なかなか落ちないんですよ。マニキュア落としなんかを使わない限りなかなか消えません。マニキュア落としを塗ると肌がいたむので、公演中、人に腕を見せることがない限りは、あまり落とさずこのままにしていることが多いです。この数字には特に意味はないです。
会員
今回入会して2回目の観劇でした。前評判どおりお2人の美声に酔いしれました(拍手)。本当に、心から感動しました。これからもどこかでお会いすることがあるかと思いますが、次の機会を心待ちにしています。
市民劇場会員
司会
加藤さんは「レンド・ミー・ア・テナー」という音楽劇でも歌われていますが、元々音楽をされていたのでしょうか?
加藤
まったくやったことはありませんでした。「レンド・ミー・ア・テナー」のときから始めましたので、音楽歴は長くないです。本格的にやったのはこの「詩人の恋」からです。でも、歌というのはマイクがあるかないかで、全く歌い方が違うんですよね。役者なのでこれまでもマイクを持って歌うことはあったんですが、マイクをはずすとたいへんです。特に今日はこの1600人の会場で...なかなかたいへんでした。実際に音楽の先生について基礎から練習しましたが、ビシビシやられましたよ。劇中でマシュカン教授がスティーブンに抱きついておなかをさわるシーンがありましたが、あのとおり、先生は生徒のおなかを触るんです。僕の場合は女性の先生でしたのでいきなりそんなことになって「僕に気があるのかなあ」なんて思ってしまいました(爆笑)。音大なんかでは、歌う訓練のとき、男子生徒は裸になり女性も薄手の服を着て、呼吸の仕方などがよくわかるようにするらしいです。劇中台詞にあった「総入れ歯をはずすような気持ちで」というのは、劇では笑いの場面でしたが、実際にあんな表現をするみたいで、音楽に詳しい人なら多分うなずいていただけるところかと。
司会
畠中さんは10月2日から日本テレビ系で放送されるドラマ「夢をかなえるゾウ」に出演されるそうで...。
畠中
(大笑いしながら)奇妙なゾウの形をした神様の「教え」を日本の女の子に説く...というストーリーです。僕は第2回目と3回目に「武田信玄」の役で出ます。
司会
楽しい話は尽きませんがそろそろ時間もまいりました。今日はどうもありがとうございました。
集合写真

E-mailでのお問い合わせは        鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
まで。