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俳優座劇場プロデュース公演

鳴門市民劇場3月例会 2021年3月24日(水) 感想集


鳴門例会カーテンコール

文化会館での観劇がしばらくないと思ったら、さびしかったが、藍住町総合文化ホールでの観劇はどうなのかなと期待がふくらんだ。
 どんでん返しの「罠」、最後まで見抜けなかった。
 役者さんそれぞれの演技がすばらしかった。

まんまと罠にはまってしまった!最後の最後まで、ダニエルが妻殺しの真犯人だとは思わなかった。あっぱれ、ロベール・トマ。あっぱれ警部たち。しかし、記憶とは、こんなにあいまいなのか。2002年の「五五の会」の「罠」を観たはずなのに、結末を覚えていないなんて!?6人の役者にカンパイ!

とても楽しく観ました。どんでん返しも趣向にとんでおり、だまされました。役者さんの存在感も印象に残りました。滝沢家のお芝居にも出ていた方かな?と思い、帰宅後、以前のパンフレットを探しましたが、見つからず不明のままでした。後日、息子に聞いたところやはりそうだということで、すっきりしました。86才の自分でも「記憶はまだまだ大丈夫」と安心し、自信が持てました。

鳴門最後の公演で少し寂しい気持ちでした。でも会員さんの笑顔で少しホッとした!誰が罠にかかるのかずっと見ていて最後までわからずじまいで最終の時に夫が犯人とわかった時のおどろき。一瞬でもと目をはなさず時間のたつのが早かったと思いました!こういう展開もあるのだとドラマではわかっていても、最後まで舞台ではわかりませんでした。それだけ演技にすい込まれたという事です。すばらしい演技でした。

罠のあらすじ見どころは目を皿にして見ていたのですが最後に夫とわかり、夫が罠にはまってしまうという展開、演出もさりながら、すい込まれてしまうストーリーに目がはなせず見ていました!時間が経つのが、早かったです!真実が明らかに!どんでん返しに、演技のうまさに感動しました!テレビと生の演技とは違う事を肌で感じた思いがしました!

「北へんろ」の色紙をいただき、ありがとうございました。
 「罠」とてもおもしろく最後の結末にあっと驚きました。カーテンコール時のスタンディング拍手等会場一体となった感じでとてもよいと思います。

公演時間ほぼ終盤が過ぎても、「エリザベートと神父の共犯」という構図のまま、ありきたりなストーリーが続いていたのに、ラストのラストで「ダニエルが真犯人」!めちゃくちゃビックリしました。2時間くらいのドラマでもみているような、どこも見のがせないストーリー展開となかだるみのない濃い内容でほんとに引き込まれました!

「60年前からのサスペンス劇の古典傑作」という事で、大いに期待したが一幕目はあまり面白くなかった。事件としては警部も周りの関係者もあまりに手ぬるい。悪党共がグルになって被害者を落とし入れようとする雰囲気は感じるのだが、一体どこまで、誰が悪党グルの親分なのか次第にイライラが募ってきた。二幕目の最終ドンデン返しが、鮮やかだった。それまでのモヤモヤと「こんなあいまいな捜査で正義が保てるのか?」との義憤もいっきょに噴飛んで、スカッとサスガに「警部殿頼もしい」という気持ちになった。観劇後、スッキリ、ウレシイ心で、熱演の役者さん達に拍手を送った。
 個々人を大事に扱い、上手く自白に追い込む。成程これがフランスコメディか?日本の劇とはちょっと違うわい。モンブラン、シャモニーの風景写真も一層キレイに感じた。

最後まで緊張の連続、まさか、ラストにどんでん返しとはスリル満点でした。久しぶりにワクワク、ドキドキの舞台を楽しみました。コロナ禍で大変な毎日ですが、だからこそ、芝居にいやしを求めることもストレス解消です。
 長い間おつき合いしてくれた鳴門市文化会館とも、しばらくお別れと思うと、ちょっぴりおセンチで淋しさを感じました。

夫と妻、どちらが、うそをついているのか?二転、三転と状況が変わっていき、誰が犯人なのか思考回路をフル回転しても追いつかない。妻の「エリザベート」が、けん銃で「ハコフグ」さんを打った時、犯人は、妻と名のる「女」だったのだと、早まった判断をしてしまった。やさしそうな神父さんも怪しげにみえてきたし、うその証言をした看護師さんも怪しい。怪しげな注射を打とうとする警部さんも怪しくみえてきた。真実を語ってくれるのは、けん銃で打たれた「ハコフグ」さんだけだったのに、と残念に思ったのもつかの間で、さらなるどんでん返しで、もう何が何だか、わからなくなった。実は、夫の証言がほしくてしくまれた巧妙な「罠」だったのだ。
 まんまと「罠」にはまったのは観ている私達だったのかもしれない。久しぶりのミステリー劇でとてもハラハラ、ドキドキさせられた。

何という「どんでんがえし」でしょう。終わりまで、主人公のダニエルが、神父や偽物の妻にだまされていると、同情の気持ちで見ていました。思いがけない結末に、「そうだったのか~。」という感激と、ほっとした安心感がいりまじって帰る道筋でも、一緒に行った主人と、あれこれ感想を言い合いながら帰りました。最初から最後まで、ドキドキしながら、おもしろく見ることができました。やっぱり、テレビや映画と違って、その場で演じる舞台はすばらしいと思います。

殺人事件の直後にかけつけた刑事は現場をしっかり見ているので死体を調べれば、誰が発砲したかは歴然なので、私なりに犯人はすぐにわかると思いましたが、結果は思いもかけぬ、どんでん返しで、今でも、どうしてだか、判りません。

言葉では言い表せないほどはらはらドキドキ、舞台に引き込まれ真実がわかるまで胸がいっぱいで……。生の舞台に魅了されました。

何度も罠にかかり、本当に二転、三転、とてもおもしろく観ました。

すごく面白かったです。ホント見ごたえがありました。
 役者さんの素晴らしい演技にハラハラ、ドキドキどんでん返しの結末。
 今まで私が観た、劇場サスペンスの中で一番面白かったです。

「罠」とってもハラハラドキドキでよかった。

最初から最後まで出ずっぱりのダニエル役、石母田さんの迫力ある演技と、次から次に現れる人物のミステリアスな振る舞い、警部との絶妙な掛け合いに引き込まれた二時間でした。意外な結末を知った時には、思わず「ええッ!」。
 そうか!全てが自白を促すために仕組んだ罠であり、ダニエルのあの取り乱しぶりは、まさに恐怖からの混乱だったのか!各役者さんの名演技力も振り返りながら帰路につきました。

すごくよかって、なにかサスペンスを見ているようで、楽しかったです。

最後の最後、土壇場まで真相が解らない面白さ、俳優たちの確かな演技力、素晴らしかったです。

私は鳴門で観たけど、途中寝てしまったりしていたから、もう一度観ないと分からないと思い、再度徳島の夜で空席待ちに並んで前から2列目で臨場感たっぷりで観ました。私には筋がわかっていた方がかえって読めて観やすかったのかも知れません。
 結果として二度位観ないと、いい作品は奥が深いから、なかなか分からないという事もあるのかと思いました。

罠にはまり、すっかり騙されてしまったのは私たち観劇者だなと思いました。私などは神父と妻が怪しいと思っていました。それなのに警部も含めてみんながグルでだましていたなんて…とても面白かったです。

想定外の結末。
 ハラハラドキドキ
 早く警部さん駆けつけて ダニエルを助けて!
 憎たらしいほどのエリザベートと神父
 舞台が進むにつれて
 すっかり罠にはまった私・・・・
 結末の瞬間、体の力が抜けた「えっ」
 
 1年2ヶ月ぶりの演劇鑑賞
 『十二人の怒れる男たち』の陪審員役 原康義さん
 『滝沢家の内乱』のお路役 加藤忍さん
 『ブンナよ木からおりてこい』の蛇役 石母田史朗さん
 
 やっぱり生の舞台は見応えがあり楽しい!
 日常を忘れさせてくれる演劇文化。
 
 観続けるぞ市民劇場!!

鳴門例会カーテンコール

警部を疑うところまでは想像していても、さらにその先の「どんでん返し」までは…。「まいりました。」
 例会の数日前、ある専門職にスポットを当てたテレビ番組を観た。カーリングのアイスリンクの氷面を整備する仕事だ。神業をもつベテラン職員と、彼を師匠と仰ぐ新人職員。彼女は「舞台芸術」を学んだ後、この道に進んだばかり。
 「舞台芸術」って何?アスリートにベストコンディションを提供し、その力を最大限引き出す仕事、との関係性って…? 前評判の「どんでん返し」の面白さとは別に、そんな目で観ていた。
 おもしろい。ホール前壁面の灯りを完全には落とさず、ぼんやりとさせている。照明を浴びて輝くステージを、暗幕(緞帳?)の黒色がグッと引き締め、さらにその外側をホール壁面がぼんやりベージュ色に取り囲む。うっすらと見える観客の後ろ姿も額縁の一部か。その額縁中央に、大道具の質感と、役者の華やかな存在感。すべてをひっくるめて、映像として美しい。そして、ここ鳴門市文化会館だけの景色か。
 惜しいのは、今までの例会、あまり意識していなかったこと。もったいない。現文化会館最後のステージでそれを意識することになるとは……。

被害者だとばかり思って観ていたダニエルが犯人だったという結末に思わず息を呑んだ。
 警察の仕掛けた罠だったとは!「罠」という題目に大納得。すっかり罠にかけられてしまった。
 緊張感があり、アッという間の2時間だった。
 一室のみの舞台セットだったが、立体的で雰囲気があり、ストーリーによくマッチした造りになっていたと思う。出演の6人みんなに拍手!

すっかり罠にはまっていて、最後まで罠に気づかなかった。

19年前に観たはずなのに、見事に忘れている!(^^;)
 ただ、罠の原題は、きっちり覚えていた(^^)v
 当時の劇団パンフには、「罠」の下にフランス語が記されていた
 Piège pour un homme seul (たったひとりの男を捕えるために仕掛けた罠)
 スリラー・サスペンスって、これだな!
 古い台本では、エリザベートとフランソワとをきっちり使い分けている
 今回の演出では、そのあたりが微妙なり・・・
 だから、昔見たものとは、微妙にズレて解釈する自分がいる(^^;)
 違和感を覚えたのは、そこかな~
 演出の難しさか・・・ 何か、フランスの国民性との違いや、日本人観客が理解しやすいストーリー展開にしないといけないのか~ など妄想を逞しくする(^^;)
 ロベール・トマが生きた時代のフランスでも、普通に「おとり捜査」があったのかな~
 きっとダニエルは、過去警察が立件できなかった他の事件もやった?
 だから、警察もあれだけ執拗な役者まがいの演技・演出を行った・・・とかとか
 ちなみに、Danielの原義は、旧約聖書から
 “God is my judge”(神は裁き人なり)
 
 その意味で、面白い芝居でした!
 どうもありがとうございました(^^)v

結婚したばかりの妻エリザベートが、夫婦喧嘩の末、失踪して帰って来ないと警察官になげく夫ダニエル。まあ、あるかもしれない話かな。と思う間もなく、舞台上には神父に伴われて妻だと名乗る別人の女性が現れる。
 、わ、わ、わ、んなの、これは?
 私の頭の中は大混乱。何が何だかわからない!私達観客は誰一人としてダニエルの言葉を疑わない。彼の立場に立ち、彼と共に、なんのために別人の妻が名乗り出てきたのか、と考えるばかり。途中、この彼女と神父がマフィアだと、私達観客はダニエルと共に勘違いし、彼が殺されるかもしれない!とドキドキしていた。あくまでも私達観客はダニエルサイドで物事を見ているから。ダニエルの無実が証明できる浮浪者の絵描きと看護師が登場してきた場面ではどんなに安堵したことか。やったー、これでダニエルの無実が証明される!と小躍りして喜んだほどだ。しかし、二人とも、、、
 今回の劇はドキドキのし通しだったことは言うまでもない。まさに演劇評論家の言うwell-made playだった。私達観客は劇作家の思惑通りに劇中ずっと翻弄されっぱなしであった。 サスペンスというものは、こんなにもドキドキするものであったのか!観劇後の疲れが尋常ではなかった!「憔悴」という言葉を思い出していた。

6人の俳優の力量で、時間を忘れて引き込まれました。
 (セリフの量がハンパなく多いですよね)
 ラストは衝撃的でしたが、おそらく脚本や演技にも色々な伏線が仕込まれていたのだろうなと見終わってから思いました。もう一度観ても楽しめると思います。と言うか、もう一度観てみたいですね。

2002年の例会を含め、今回で三回めですが(実は、鳴門市文化会館に加え、あわぎんホールでも観たので、都合4回!です)、それでも、何度目観ても、「面白い!」の一言に尽きます。
 落ち着いて分析してみると、ダニエルは、事件の迷宮入り(そうなって、めでたく遺産を横取り)を想定していただろうに途中から予想もしないことが起こり、訳が分からず、あの演技のとおり「焦った、混乱した」のですよね。その状況は私たち観客も同じだったので、刑事たちに「騙されていた」状況は観客もダニエルも同じだった…?!でも、肝心の「真犯人」については、観客は当然ダニエルに騙されていたわけで、絡み合う“騙し”が、最後の数分でスルスルと解かれて「ほぉ~!!」という大きなため息につながる。見事です。
 なお、原作もスゴイですが、やはり何度みても「ほぉ~!!」となるのは役者さんの演技の素晴らしさの所以と思いました。

誰が本当のことを言っているのかな?どうケリがつくのかな? とってもスリリングでした。最後に犯人を追いつめるための罠だったのかと!ガッテンしました。楽しかったです。

あぁ~っ、なんてこったぁ! 悔しいことに、最後の最後までこの劇中に巧妙に仕掛けられた“罠”からの脱出が叶うことがありませんでした。まるで蜘蛛の糸の様に張り巡らされた罠にまんまとはまってしまい、最後までその真相を見抜けなった私のことを、演出家の思う壺にはまったうつけ者と表現されることとは、正しくこのことを指すのでしょうか?
 今回の劇が始まった前半部分は、その時点では主人公のダニエルが狂乱の如くわめき叫ぶ一本調子の演出かつ進行で、正直言って全くと言っていい程に興味が湧かないつまらない劇だなぁ~との印象でした。その上、劇が開幕しても始まりの掴みも無く、ただ単に淡々と劇が進んでゆくばかりで、退屈な時間のみが過ぎゆく、そんな感じでした。それが一変したのは、第一幕が閉じる寸前の俳優たちの言動や表情でした。そして、後半の第二幕が始まるや否や、劇中の物語が大きく動き出したではないですか!この大きな変化を受けて、私の心はこの劇中に仕掛けられた“罠”に引っ掛かってしまい、気が付けば私の心は鷲掴みにされていました。そして、いつしか劇中の各々の登場人物の一挙一動に釘付けとなっている自分自身に気付くことも無く、劇は最後の幕を迎えることになりました。その最後の最後に種明かしとも言うべき真相が判明し、その時の私は劇が始まった当初の退屈な心境から一変して、この劇の面白さの虜になっていたようです。そう思うと、退屈と思っていた前半部分の演出は後半へと続く為の布石であり、私を含めた観客を後半部の数々の“罠”へと誘う「まき餌」とも言える役割を担っていたのかもしれませんね。そして、その思惑に田舎育ちで人を疑うことを知らない純朴で(?)昼行燈の私が、まんまと引っ掛かったということでしょうね(笑)。
 ところで、今回の劇の魅力は何と言っても、お互いの化かし合い、あるいは騙し合いにあるのでしょうね。例えば、劇を通じて、最後に分かったことの一つにダニエルが精神疾患を患っているように故意的に演じていたことがあります。そして、妻殺しの犯人と目星をつけた夫であるダニエルからの自白を引き出す為に、うだつの上がらない刑事や偽妻を演じ、そして偽牧師や看護師の面々の巧みな演技等々、この劇は非常に複雑で難解な物語設定で構成されていると、劇を観終わって初めて気づかされました。その複雑さ故に、“罠”にはまった私は最後の最後までその「演技」に騙され続けたのだと思います。
 その後、劇場を後にした私ですが、その時点では私の心は未だ“罠”にはまったままで、一向に抜け出ることが出来ない状態でした。そして、駐車場に止めてあった車のエンジンをスタートさせ、家路についてやっとのことで私をがんじがらめに縛り付けていた蜘蛛の糸の“罠”から解き放たれ、自分自身を取り戻せたように思いました。しかし、改めて思うに、その“罠”に囚われた自身を想い出すと、そこには何とも言えない心地良さがあったのも否定できない自分自身が居ることにも気付きました。それ程、この劇中の“罠”は魔法の如く私の心を迷わせ酔わせる何かがあったのでしょうね!それは、一体何なのでしょうか?どうやら私は再び“罠”にはまったようです…。

鳴門の文化会館最後の例会でした。サークル代表者会議の時、作品の紹介では最後まで内容は語ることなく、「最後まで見ればわかる」との一点張りでした。興味を持ちながら観劇しました。なんと、最後のどんでん返しに、開いた口がふさがりませんでした。犯人自供のために警察が「罠」を仕掛けた。誰もこの結末を想像することはできなかったと思います。あれこれと推理しながら楽しく観劇できました。俳優座の皆さまありがとうございました。

加藤忍さんは、昨年の「滝沢家の内乱」では、しっかり者の新妻役“お路”を、今回の「罠」では気が強い“エリザベート”を、180度違う若妻を演じ分けてみせてくださいました。さすが、役者さん!!楽しく鑑賞させていただけました。

今回の作品ほどミステリー性に富むものは知りません。ダニエルの妻が失踪してからの物語です。あなたは、見破れるか!表題にある通り最後まで見破ることはできませんでした。警察官が調査する人々、全員同じグループで、ダニエルの妻殺害の自供を引き出す為の布陣でした。
 お芝居の構成が巧で、私たちの想像性を超えていた点、劇作家のロベール・トマの頭脳明晰さがわかります。脱帽です。俳優座の皆さんの演技もずば抜けていました。特に偽エリザベートが素晴らしいと思います。

今回は久しぶりのサスペンス劇。推理物は映画、TVドラマ、小説、結構好きである。推理物の醍醐味は犯人探し、誰が嘘をついていて、トリックをどう見破るのか。しかしながら最近は登場人物が多かったり、トリックが複雑すぎたり、そんなにメインでない人が犯人であったり、見破れないことが多い。そんな時は納得がいかず、もやもやとしたものが残ることが多い。しかしそれは、本(シナリオ)のせいではなく、自分自身が年を重ねるうちに、複雑なことが考えられなくなり、すべての登場人物の特徴を把握できないことに起因しているのかもしれない。
 さて、今回の「罠」の登場人物はたったの6人。これなら覚えられる、言い訳はできない。話が進むにつれて、妻と神父が明らかに怪しい、この二人はグルに違いない。警部はどうだろう。推理ものは最後に謎解きがある。精神的に追い込まれていくダニエルに謎解きはできそうにもないので、謎解き役は警部しかないと考えると犯人ではないのかとも思う。しかし、物語がクライマックスに近づくつれ、警部もかなり怪しくなってきた。3人はグルなのだろうか?しかし何のためにダニエルを追い込んでいくのかがわからない。そして、モヤモヤしたまま最後の最後に全ての秘密が明かされる。
 そういうことだったのか、見事に騙された。これだけ、バッサリと切られると、巧妙に仕掛けられた罠にはまったことに悔しさもなく、爽快感しか残らない。
 推理物の醍醐味は犯人探しではなく、騙されることなのだと悟った。

このお芝居は私には珍しく、台本も読まず、ネタバレも読まずに観ることができました。ただ、以前例会に来てくださった清水明彦さん、加藤忍さん、里村孝雄さんがどんな変身をするのかを楽しみに注目して観ました。前回着物で滝沢家の嫁だった加藤忍さんは、全く違うお色気までも漂う洋風で弾けた女性を演じていました。ただ、清水さんと里村さんは、役は違えど、強力なキャラクターの二人なのでそのまま楽しめました。そこから先は「罠」とは何なのかとワクワクしながら、また元々私の疑い目線で楽しんで2幕へと進み看護婦さん「やっぱりね」と思い、ハコフグは死んでるのか?生きてるのか?と楽しみながら観られました。
 ただ残念だったのが最後のネタバレ台詞の前に、「これって自白させようと全員警察パターンだぁ」と気づいて「あぁ~」と声を漏らしてしまったことです。私の近くの席の方、申し訳ありませんでした。

罠が仕掛けられているのだろうから、見破ってやろうと思いながら観ていたのですが、まんまと罠にかかりましたー。最初から最後まで目が離せない、ワクワクしながら観ていました。もう一回観たい!

妻エリザベートの失踪を嘆き悲しむダニエル、そんな彼の元に現れたエリザベートを名乗る謎の女、何やら怪しげな神父、状況に混乱しながらもダニエルの力になりつつ捜査を続ける警部、そして、ダニエルにとって希望となるはずだった証言者たち・・・。ハラハラドキドキの展開に、まさかの結末(まさに『罠』!)。私が観た今までの市民劇場にあまりなかったタイプの楽しめる舞台でした。

鳴門例会カーテンコール

E-mailでのお問い合わせは、         鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
まで。