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みすてられた島

青年劇場公演

鳴門市民劇場2017年7月9日例会 感想集

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鳴門例会カーテンコール

登場人物のもつ背景や権利、自由がつめこまれた第一部。このまま休憩ないのかも? と途中ふと思ったのですが・・・。
 島の将来のあるべき姿が具体的になったかに見えた第二部。時代はかわっても、お互いに思いやり生きていくこと等に改めて気づいた。
 ストーリーが重くならないようにちりばめられた“お母さんのひとこと”に救われた。

まず、役者さんの「声量」に驚きました。マイクなどを使っているのでしょうか。そんな感じでもなさそうだし、はっきりと言葉の一語一語が明瞭に、しかも、力んで出すような声でなく、芯のある声に感動しました。当方、プライベートでは観劇をした経験もなく、そういう常識、素養がないものですから、純粋な疑問です。
 上記のことも含めて、映画とは違う「生の迫力」・・・ 声がその方向から聞こえてくる。右手前から左奥から、奥行きを感じる。声も映像も遠近感を伴って。
 「演技」・・・ 日常の仕草を細かく観察し、描写しているな、と感心しました。
 それぞれの「キャラクタ」のおもしろさ。世の中のどこにでもいるような人たちを、個性立てておもしろくすみ分けさせている。
 「時事問題」とかのからみ。今の社会や政治の課題を巧妙に絡めている。台本、脚本のおもしろさ。
 一般的な「人生論」のようなもので、自身を省みさせる。 等々です。本当に貴重な機会をいただき、感謝しています。 

少しむつかしい劇でしたが、最後までしっかりと見ていました!今の時代に、少しひにくっている芝居に少しにがい笑いしました!笑える物語でもないですが、生きていくには流れにまかせず憲法にも少し勉強が必要かなと思った次第です。

小さな島の物語ですが、もし本当にみすてられてしまったら、孤立してしまったら、どうするでしょう。憲法がよく出てきましたが、私達には意味がわからず、考えさせられました。今の平和な世の中は憲法にまもられているので、平和なのかもしれません。

私達が日々生活している中で、想像すらしたことがないような事が起きる。日本からの独立など頭のすみにも存在しない。いろいろな意見の対立があるが、地域の人々のお互いを思いやる気持ちを持つことが解決への要と思った。

今回、後ろの方であったが、全体に声が大きく、身ぶりもしっかりしていたので、話は良くわかった。内容的にはもっと憲法論議かと思ったが、あんなものから九条の部分は今の日本と対比していたけど、この劇の中では、今の日本が戦争をおこす(九条があるのに)というようにみえたのが残念だ。

戦後、伊豆諸島の島民が日本から切り離されるという危機感から、独立に備えて独自に創った「大島暫定憲法」。今回、「みすてられた島」を観劇するまで、この史実を私は全く知りませんでした。
 憲法改正や自衛隊論議が栄んな昨今、シリアスな問題をコミカルな笑いに包んで大変、考えさせられる劇でした。また、島長と島長の妻:泰江とのかけあいが何ともコミカルで、面白くおかしかったです。劇に引き込まれ、約2時間30分があっという間に終わってしまった感じです。

最初タイトルが?と解りにくかったのですが、見終わって、タイトルの持っている深いところが少し分かった思いがしました。
 自分としては、こういうテーマは難しく、どうとらえてよいか? で鑑賞後、心にずしっと残る思いで、どちらかというと自ら進んで観たいと思う類ではありません!!
 ただ、役者さん達皆さんの熱演は“ブラボー”でした!! “感謝”です。

私にとってその劇が良かったかどうかは、舞台上の人にどれだけ感情移入できるか、共感できるか、舞台上の風景が自分の鏡みたいに感じられるか…あたりが重要になっているように思います。そして特に、「良かった~」と思える作品では心に残る台詞がたくさんあるように思います。今回はまさにそういう劇でした。
・一幕のクライマックスだった島の憲法の最後の部分(…それでも(他国との間に)緊張がはしる場面になったときには、島は、武力ではなく、“ことば”で平和的解決をはかることとする)を読み上げた場面
・二幕のクライマックスだった島長さんの台詞「もっと、人を信じてみようじゃないか…私は…本土の人間を信じると、そう決めた…大体こんな小さな島国だよ、となりの国と仲良くできないんじゃ元々やっていけないさ…そしてそれはねえ、我々の気持ち次第だ…お隣さんに対して接する、本の少しの助け合いの精神だ…すごく簡単なことだ」
・島長さんの台詞にも同様なのがありましたが島長さんの奥さんのキッパリした台詞「こんな小さな島で横のつながりが持てないんじゃ話になりゃしないわよ。私は島がどうなるってことより、結局そういうことの方が重要だと思いますけど。」
・息子のクニヒコが、恋人のユカリのことを母親が理解してくれない(昔の過ちを責める)ことに対して「誰だって、間違う。間違うのがニンゲン。それを許さないといけない。お母さんのような固定観念が戦争とかにもつながるんじゃないか」という風に訴える場面
・同じ場面で、父親の島長さんが「人は自分(だけ)が正しいと思うから、敵を作るのかな。いや、逆で、敵を作っているから自分(こそ)が正しいと思うのかな…」というようなことをつぶやく場面
・息子のクニヒコが、恋人のユカリに対して、「自分は、島の人たちや親がユカリちゃんのことを許さないということがひどいと、そればかりを怒っていたけど、本当はそういう問題ではなくて、自分がゆかりちゃんをかばいきれなかったのがいけない。「他人」のせいにばかりしてきた自分がいけない」というようなことを泣きながら言う場面
 こんな、心にジンとくる台詞や場面がたくさんありましたが、笑いどころも満載で本当によくできた芝居でした。

自分の好きなお芝居だったので大変楽しまさせて貰い、また勉強になりました。

初めての鑑賞でしたが、楽しむことができました。映画とは違いやはり生の演技を直に見れることもあって演劇に見入ってしまいました。
 また、場面も家の中だけと移動がありませんでしたが、メリハリもあって飽きずに鑑賞できました。

島が切り離されて独立させられるなんてありえない話かと思ったら、過去の史実をもとにしているという。それをノンフィクションとして描くのではなく近未来のSFとして描いている。ありえない話だけど、現在の日本を取り巻いている様々な状況を思い浮かべると起きても不思議ではないと考えさせられた。
 登場人物は人間味にあふれ、概ね男性たちは情けなく、女性たちは強い。皆悩みを抱え、欠点も多いが、愛すべき人たち。扱っているテーマは戦争、憲法制定、独立と重いけれど、魅力的な登場人物たちのやり取りに笑わされ最後まで楽しむことができた。この島の独立後の繁栄を祈りたくなった。

1945年ポツダム宣言時に伊豆大島が日本から切り離されそうになった実話をもとに書かれた近未来の物語らしいが、憲法のあり方などまさに今の日本というシステムの問題点をわかり易く浮き彫りにしており、とても面白かった。
 とりわけ島の人たちと本土の人たちを対比した場面でふと思ったことがある。それは何をもって幸福と感じるのかということ。人によって異なるけれど、いろいろと言われる幸福度の方程式のなかでも一番わかり易いのは「幸せの量は、財産の量を欲望の量で割った数値」というものだろう。先進国では、幸福を求めて財産を増やしたいという考えが多数派だが、幸福を感じている国民が圧倒的に多いといわれる彼の国ブータンでは、欲を抑えれば他人を羨む感情も少なくなり目に見える財産が少なくても幸せだという考え方が根付いているという。経済至上ではなく、互いを気遣い助け合って生きていく道を選ぶ島民の考えに触れたとき、経済対策のためには何でもアリの日本の現政治をサラリと皮肉っている様で愉快に感じた。

戦争がもたらす様々な影響は、突然国民を混乱に陥れる。
 現代感覚も取り入れた物語で、楽しく鑑賞できました。

「島の独立」という事態に直面した島民たちが、それぞれの立場で考え、行動する様子を多角的に描こうとしている意図は理解できましたが、あまりにも多面的になりすぎ、全体的には消化不良になっていた感じがしました。時間も長く、疲れました。

突然わいた島の独立問題に、未来の理想郷となる島の姿を求めて、有力者が真剣に議論する場面は迫力があった。やや難解な議論の内容に、昼間の疲れもあってか、少し眠気も・・・。しかし、娘の結婚問題で、肝の据わった島長妻が母親として、生活レベルで笑いをとりながらも、思う存分意見し、変容していく姿も絡まって、興味深く、楽しいものとなった。
 今の社会に通じる課題(憲法・雇用・人口減・地方再生・移住・・・等)も多く、問題を投げかけられたようでもある。

どこかで聞いた事のある話が、あちらこちらに散りばめられていて、色々と考えさせられる話でした。
 母親役の役者さん、特に良かったです。
 楽しい時間を送れました。

1946年といえば、私が幼少の頃の出来事で、当然、知るよしもない話ですが、史実に基づいて創られた話だけに、身につまされ、ふと、今の沖縄を思い、テレビ等で見聞きしている実状を思い、心おだやかではいられませんでした。

鳴門例会カーテンコール

舞台上の人々が、皆、それぞれの思いを、それぞれの形と言葉でぶつけ合って、重いテーマにもかかわらず、観終わったあとは、とても爽快な気分でした。こんな風な社会であればいいなと思います。 話の本質から一番遠いようにみえた主婦の意見が、実は、真髄を掴んでいたり、日和見主義の島長の行動が深く考えているからこそであったり、人物が深く魅力的に描かれていて、面白かったです。

今回の例会は、福島明夫氏の講演会に参加して、お話が上手くて、あっという間に時間が過ぎていました。そして、事前にいろいろ情報を入れるのは、観劇の楽しみを増す大きな方法ですね。 いつも以上に、例会を楽しみにして待っていました。 そして、開演して一番に感じたことは、キャストの方々の迫力ある声に驚きました。 島の独立話にからんで、島の人々の関係についてのことにも、あたたかい内容でした。 最後は、ハッピーエンド的になったので良かったです。 もう一つ、お天気も雨を心配しましたが、雨も止んで、重ねて良かったです。 9月の例会は当番月なので、頑張りたいと思います。 

最近何を観ても自分の立場と被らせてしまうのですが、弱者の立場と逆の強みがよく表現されていたお芝居でした。

結構おもしろかったです。今まで独立するとか、みすてられる・・・ とか考えたことがなかったので(鳴門も四国として一応島なのですが)そういうことも“有り”なのかな と思いました。
 ユーモアがあり、仮説ながら現実味もあり、真に迫る場面あり、楽しみました。

2つのストーリーを融合して、難しくもあり、楽しくもあり、ドキドキして観劇しました。みすてられた島での憲法作り、激論を闘わせながら、ひとつの形にする心意気は、すばらしいと思いました。まして、島民全員の幸せをテーマに!今の政治もかくありたいと思います。また、長男の結婚、離婚した夫婦の微妙な心の綾を織りまぜて、ストーリーは展開していきます。
 では、我々が学びとるものは何?
 私は、「弱者側に立った行政、そして、人と人の絆、即ち皆が支えあって人生を送っている!」だと思いました。 “ありがとうございました! 又お会いできるまでエールを送ります”

今回は、3人のところ2人で参加になりましたが、2人ともダメでした。(イネムリをしてしまったのです)もったいないことをしてしまいました。

長時間のお芝居で、役者さん達の熱意と迫力がしっかり伝わって来ました。今の日本の諸課題を重ねながら、島のあり方について考えさせられる内容でした。言葉が平和的解決の最終手段の人間至上主義憲法が機能する国、いいですよね。

福島明夫さんの講演を拝聴して、興味深々、わくわくして、例会を楽しみにしていました。期待どおりの舞台でした。
 青少年へのメッセージを届ける芝居をする、青年劇場の大きな目標だということでしたが、われわれ高齢者にも送られたメッセージのように思いました。何ヶ月後、何年後はどうなるのだろうなどと考えるゆとりなどはとてもない日々の暮らしの中で、何を優先していくかを、じっくり考えることの必然性を痛感しました。   
 サークルの人との話し合いで、「難しいことだから、普段はあまり考えないことだが、お芝居を観ることで、他人ごとではなく、たまには、自分の問題として考えなくてはいけないと思いました」と、貴重なご意見をいただきました。   
 演劇鑑賞会の目的『人類の文化を次世代に手渡すこと』、しっかりと次へバトンタッチをしていくことの大切さを再認識しました。いつ、何が起こるかわからない、今日一日が無事に過ごせることを願いたいとつくづく思いました。島の景色の美しさを島民が大切に思う気持ちに感動しました。

まず、当座、舞台から流れてくるミンミンゼミの鳴き声に違和感を覚える。劇中3回以上聞く。そちらに気を取られる。目の前で展開するドタバタ・ガミガミ劇よりも、気になって仕方ない。
 伊豆大島なら、クマゼミでは?
 さて、ミンミンゼミもいたのかな?しかし、クマもミンミンも、鳴くのは朝がメインだ。また、互いに競合する。だから、季節の中でも、出現期を配慮する。
 ところが、この芝居の主な背景は、夕刻だ。
 それなら、アブラゼミだよなあ~ (^_^;;
 などなど考えていると、芝居の進行から置いていかれる。
 思い切って、7月13日の「合評会」(芝居が終わって1週間後に開く感想を話し合う会)で投げかけてみる。
・えーっ、セミや鳴いてた?
・蝉が鳴いたのは、聞かなかったぞ!(波の音は聞いたけれど)
・そんなの芝居の展開と関係ないでしょ!
・架空のお芝居だから、そんなのどうでもありでしょ!
 どうも劇団贔屓の方たちばかりだ (^_^;;
 広島のピカの時(原爆投下時)に鳴いていたのは、クマゼミだと思う。それを、東日本人がつくる芝居や映画では、アブラゼミやミンミンゼミが登場する。環境錯誤も甚だしい。
 今回の作・演出者は、中津留氏だ。調べると、大分県生まれだ。
 当然、西日本人だが、合評する人たちも西日本人。それぞれの興味の有り様で、チェックが効かないのかなあ。政治政治、人間人間で、自然などどうでもイイのかな??
 市場優先・経済優先よりも、人間優先だ!と標榜する割には、それらの基盤である自然には無頓着。どちらも困ったものだ。生きとし生けるものの命を大事にすることこそ、倫理の基本にあらねばならない。改めて、この言辞に思い至る。
 そこで閑話休題。憲法づくりも大事だけれど、新たに独立国になるなら、まず一番は「国名」だよね!そんな話、出てきたのかな~ (^_^;;
 とまれ、役者陣の熱演には圧倒されました (^_^;;
 どうもありがとうございました。
 そして、昔観た「翼をください」の再演を乞います!

怒鳴り型の芝居は疲れました。
 元奥さんと子供を船で送るなら、最後は、彼女が島に残ってほしかった。

出演者の好演に拍手。ただし、政治劇なのか、人情劇なのか中途半端。時間もちょっと長過ぎる。

担当サークルだったので、わくわくしながら観劇した。
 初めは、大島憲法のことが頭にあったので、終戦直後の話とかんちがいし、スマホを使っていたので、あれ?と思った。機関紙を見直して、20XX年、つまり現在を時代背景としていることに気づき、観劇を続けた。
 漁業の後継、自然破壊、工場誘致、主権在民、税金、さらには恋愛問題、親子問題など、いろんなテーマがくみこまれた劇だった。4月から町内会長(自治会長)をしているので、島長の立場もよく理解できた。

経済優先で、人間が人間らしく生きることが難しくなっている日本人に、本当に必要なものは何か考えさせてくれる作品でした。物質の豊かさより心の豊かさ、武器より外交、ことばで自国を守ることの大切さ、いろいろ考えさせてくれました。

人の生活の中で、法的に問われる問題が山積している現代生活の中で、戦後まもなく起こった本土と島の間の考え方がすれ違う最中で起こった独立宣言が言い渡された。島民にとって当惑する様々な生き方を問われている。ほんとうにどうすればいいのか、島長を中心にしての論議が交わされる。ひとりひとりの思いが、島の将来を左右する問題に発展するが、キャストのそれぞれの立場で意見を述べる演技とキャストの声量に感動を覚えました。 後の交流会では、すばらしい話し合いがもてたことは、思い出として心に留めておきたいと思います。

■(中学生) 島の独立のことなどを、もっと勉強してみたいです。

鳴門例会カーテンコール

E-mailでのお問い合わせは、         鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
まで。