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オペラ ネズミの涙

オペラシアターこんにゃく座公演

鳴門市民劇場2016年5月26日例会 感想集

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鳴門例会カーテンコール

実は前半、退屈でした。太鼓と鉦の音が耳障りで「つまらないなぁ」と思っていました。
  はなしが進むうちに、一匹死に、「俺たちに初めから息子なんて居なかったんだ!」母と妹は納得できない。でも、生活の為に恨んでも恨み切れないドブネズミに芝居を見せ収入を得る。
  同じ戦時下なのに穏健派のクマネズミの支配下ならなんとなく安心している。二匹死に、「俺たちに娘なんか居なかったんだ!」この娘の旦那は納得できない。
  すべてが異常な非日常なのに日常のごとく思い込もうとする。抗えない力の中で、弱いものは、「これが普通なのだ」と思い込むしかないのかな。

天竺一座の西遊記にはちょっと「子供向け?」と感じたりしましたが、哀しくも美しい歌声にはじんときました。
  すごく良いお芝居だなと思いました。

市民劇場初のオペラとのことでしたが、オペラとミュージカルの違いがよくわからなかった。戦争をテーマにし、その中で2人の子供を亡くしてしまうという重い劇だったので、歌や踊りで明るくするという狙いだったのかもしれないが、劇中劇の西遊記が少し長すぎると思った。ただ、ラストは希望が残る終わり方だったので救われた気がした。

観終わって時間がたつほどに印象が変わっていった、不思議な作品でした。何か心にひっかかることが広がっていって、そして、それをひとつひとつほどいていく過程が有意義に思えました。でもまだ「?」は多く残っていて、そういうことを他の人と話してみたい、そういう作品でもあります。
  分別もまだない少年(息子、チタン)が易々と兵隊にとられアッという間に否応なく手を汚す体験(人を殺してしまう体験)をすることになり、それを「英雄」と言われることに抵抗して、迷いと絶望のうちに自分の命も失ってしまうことや、無垢でまっすぐな心の娘(リン)が自分の身をなげうって敵から町と夫を守る行動に出て命を落としてしまうことなど、弱いものが犠牲になる、とりわけ親にとっては最も悲劇といわざるをえないであろう子供を奪われるというエピソードは、間違いなく、誰にも響く話で反戦を訴えかけるものだったと思います。しかし、その一方で、「おっとう、おっかあ」の台詞や行動は、「子供はいなかったことと思おう、そう思えば辛くないじゃないか」「戦争はなくならない。戦争をしたい人たちにとっては戦争はガソリンみたいなものだから」「戦争がなくなったらおまんまの食い上げだ」「(子供を殺された“敵”だというのに)明日はドブネズミの軍隊が芝居のお客さんだ」など…、現実的で冷静で、たくましくて。考えようによっては、あまりにも諦めがはやくて切り替えがはやくて“そんなんでいいの?”と思えるようなものでした。
  でも、このすべてが現実なのでしょう。そして、だからこそ、怖い話だとも感じましたし、逆に、ラストシーンは「合言葉は天竺で会おう」という歌声とともに、不思議なさわやかさも感じました。
  結局、いろいろな人(ネズミですけど)の生き方が、ちりばめられて、私たちに投げかけられて、そして、その場面、その人(ネズミですけど)の立場になったら自分はどうするだろう…ということだと思います。
  創造作品にはそういう力と役割があるから、観る側も、観て、感じて、考えて、話して…それでこそ観た甲斐がある。平時に反戦を謳い平和を訴求するのはほぼ当然のこと。だけど有事に何を考えどう行動するのか、そういうことを、こんなものを観て、ときどき考えるのがいいのかなあと思いました。

良かったです。オペラは、結構好きかもしれません。
  最前列だったので、スポットライト以外の演技の微妙なところまで良く見えました。若い役者さんが目の前にいることが多かったことが好印象の要因だったのは否定できせん。

面白くなかったというより、年代が、ママさんとお子様向けのオペラではないかとおもいました。
  大人がいくらなぜ孫悟空なの!なぜねずみなの!ではなく、感性で表現して喜んでくればと演出していると思いました。韓国、中国、日本もねずみをすごく嫌いますが、孫悟空に扮してねずみも世の中のいいこともするよ!とアピールしているのではと思いつつスヤスヤ夢の中にはいりました。途中携帯だめよ、アラーム時計だめよと繰り返していましたが、いびきもだめよと本当に主催者側が言いたかったのでは。本当に爆睡しておりました。でも最後のフィナーレで空からきらきらひかりものが舞い降りてきてとてもきれいでした。終わり良ければ全て良し、ですね。

戦時中という厳しい環境でありながら要所でコメディの要素を取り入れているところが印象的でした。
  太鼓と歌声とコミカルな動きは観ていて飽きなかったです。また、鼠が西遊記で猿や豚を演じるところがおかしかったです。

ネズミさんの動きがかわいく上手で、また役者さん全員がエネルギッシュな動きを見せてくれて、そして、音楽もずっと楽しく、飽きることなく時間を過ごすことができました。メッセージも伝わってきて、哀しい結末ではあったものの、最後にはホロリとしました。よかったです。

演出の内容は不問にして、音楽的には歌も伴奏も良かったと思います。伴奏がピアノだけなのでオペラというよりはミュージカルではないでしょうか。ミュージカルであればもう少しストーリーがないと?と思われる方もいらっしゃるでしょうし、そうするとやっぱりオペラかという感じです。

今回はねずみ天竺一座の家族愛と・・・戦争、種族争いを風刺した小さな物語だった。幕開けはいつもと違ってちょこちょこ、ビクビクしたネズミ達のやや滑稽な成り行きだったが次々と野ネズミ、ドブネズミ、黒ネズミ、兵隊たちが襲ってくる度に、降りかかる不幸に這いつくばりながら、立ち直り、“西遊記”興業を続ける天竺一座。志願兵へのあこがれと挫折、戦死、脱走兵との愛と結婚、娼婦ネズミと軍曹との出会いとなっていた。キラキラと雪舞降るなか興業バスの上で悲しくリンを抱きかかえながら歌うニッケルと遠ざかっていく全員の合唱…最後のシーンは非常に綺麗で感動的だった。若く元気なシアターこんにゃく座、飛んだり跳ねたり、歌ったり、ふざけたり、終わってしまえばアッという間の大熱演の2時間半であった。独特の打楽器サムルノリとピアノ演奏はネズミ社会の滑稽さ、逞しさを微妙によく表現していた。

3時間の上演時間がとても短く感じました。70年、平和な日本で暮らせてきたことをありがたく思いました。又、人生には色々な事ことに出会うけれども力強く歩んでいくことが大切だということを教えられました。

見事な歌声とピアノの生演奏、サムルノリの演奏を活かした展開にずっと引きつけられました。「オペラ」ってどんなのかなと思っていたのですが、とても親しみやすかったです。「俺達には、息子も娘もいなかったと思えばいいんだ」という悲痛な胸のうち、そう思うことでしかこの現実に向き合っていけないおっとうとおっかあ。今まさにテロや戦争が絶えない現実が、迫ってきます。彼らの姿が難民の姿と重なります。「米粒のように軽んじられる庶民の命の重みを為政者は、そしてテロリストは、しっかりと胸に受け止め!」と強く思いました。演出上の難点を挙げれば「ハリセン」の場面は不要だと思います。ウケ狙いで、下品だし、第一暴力を否定している作品にそぐわないです。そこを除けば、最高に良かったです。

オペラが観られるということで、期待して出かけました。
  開幕と同時に現れたネズミの太鼓隊に、おどろき圧倒されました。あのリズムと太鼓の振りは、沖縄の「エイサー」を思い出しました。ピアノ伴奏による「生」の歌声は期待どおりで、一家4人、特に私は、むすめリンとむすこチタン役の若い二人が素晴らしく思いました。戦争で家族や仲間を失っても、希望を捨てずに生きようとする姿は尊く、共感を覚えました。

13人の劇は、ねずみさんらしく見え、元気をもらいました。皆さんすばらしい声の方ばかりでしたが、なかでも、娘ねずみさんの声はひびきました。
  涙あり、笑いあり、楽しく見ました。

俳優の方々の歌声や踊りに魅了されました。戦争のない世界になることは、人間の永遠のテーマだと思います。私たちも、できるだけ涙することない平和な世界になるよう 世代、人種を超えて 歩み寄る努力が必要だと思いました。

最後の歌が(2人並んで歌う)良かって(名曲だと思う)、感激した。

楽しくて 悲しくて・・・感動しました。

ピアノ演奏と歌声がすばらしかったです。また、朝鮮半島の打楽器の演奏もめずらしかったです。「リン」が戦争の銃弾に遭い死んでいく、切なく悲しかった。いつの世も関係のない一般の人が犠牲になっている。無慈悲な世の中ですね。

戦争はすべてを奪ってしまう。観劇しながら「原爆投下への謝罪を求めない」と言われたことや、真珠湾への訪問、沖縄戦、日中戦争、慰安婦問題、IS、についてなど本当に様々なことが頭をよぎった次第です。欲の連鎖、奪い合うことの連鎖を、絶ちたい。

戦争には反対だけど兵士を励ますために旅を続ける天竺一座。矛盾しているけど受け入れなければならない現実は周りにもたくさんある。したたかに生きることについて涙しながら考えた。私が思っていたオペラとは少し違っていた。オペラとミュージカルの違いは?

戦争を題材に、笑いあり涙あり、鳴門組さんお楽しみに!(徳島で観たサークルメンバーより)

舞台良かったです。
  息子役の俳優さんにお花を渡す機会を下さり、握手までしてくださり、とてもラッキーでした。

初めて市民劇場を拝見させてもらいました。劇団の舞台やオペラを観るのも初めてで、生での迫力や歌や踊り、分かりやすいストーリー、役者さんの躍動感が伝わって来て、すぐに引き込まれました。楽しかったのですぐに友人に勧めました。今後も楽しみになりました。これからもよろしくお願いいたします。

鳴門例会カーテンコール

時間に取り残された様ですが、初めてでしたので、感動しました。楽しみが増えました。誘ってくださってありがとうございました。

笑いあり、涙ありの楽しくて、最後には胸がキュンとさせられるお話でした。けっしてネズミの世界の話ではなく、私達人類がかかえている課題であったとおもいます。争いのない平和な世界が来ることを心から願っています。
  ミユージカルは大好きです。いつも皆さんの歌唱力に感心しています。今回は、娘ネズミのリンちゃんの歌声が特にステキでした。

たいへん良かったです。◎
  オペラは楽しくストレス解消の良薬です。

戦争で息子が死んでも、戦争で娘が死んでも、とにかく芝居をしながら生きていこう、歩いていこう、天竺めざして! バスの上に飛び上ったり、飛び降りたり、落ちない様に頑張って!

いろいろありながらも、希望を失わず行き続けるネズミたちの姿が印象に残っている。バスもよくできていた。歌声はもちろん、ピアノ、サムルノリもよかった。

全くの予備知識なしで見始めたので最初のうちは筋を追うのが大変でした。しかし、次第に母娘、その他の出演者の美しい歌声に引き込まれていきました。戦争に巻き込まれながらも、けなげに生きていくネズミ(実は私達人間でもある)の生き方に勇気をもらいました。

団員皆さんの息の合った演技やハーモニーに感動しました。ピアノの音響もとてもすばらしかったです。2時間があっという間に過ぎ集中できました。「戦争」という重いテーマだったので時には怖い場面もありましたが、「きれいごとではない!」という思いが伝わってきました。「私たちには息子も娘もいなかったことにしよう」という言葉がささりました。あまりにも悲しい言葉です。私にとって、忘れられない作品になりました。

軽快な“チャンゴ”、軽妙な“チン”の演奏とピアノ伴奏が非常に良かったです。セリフもしっかりと聞き取りやすかった!!。娼婦コバルトの軽妙さとアドリブが最高でした!!。

鳴門のローカルネタを少し入れてくれてたりしていたので、身近に感じて、なお楽しかったとおもいます。

オペラがどういうものか、想像とは違って思った以上にすごい歌声で迫力があり、素晴らしかったです。

二人の子ども、娘リン、息子チタンを戦争で失う場面は戦争の悲惨さ、残酷さを感じました。
  今、平和であることの大切さ尊さ身に染みて感じています。ある人の“日本をいつまでも戦後と言える国にしなければ・・・”という言葉がよみがえってきました。
  ピアノと独特の音色を出す打楽器サムルノリは、心もようを効果的に表現し、作品をより印象深いものにしてくれました。

終わりになって2人がうたう歌が重なってウルウルです。

何を言いたいのかよくわからない劇だった。初期の趣旨と世情が大きく変わってきたためではないか・・? などと考えてしまった。

鳴門初来演の「オペラシアターこんにゃく座」よかったです。ピアノと歌とサムルノリが絡みあい、たった4人の「天竺一座」が奏でる笑いあり涙ありの「西遊記」。登場人物の皆さんの身のこなし、動き、舞台転換、ストーリーの展開、今までのミュージカルと一風変った時間の流れに目放しが出来なかったです。終演後の役者の皆さんのお見送りが気持ちよかったです。

笑いあり、涙ありのワクワク・ドキドキの観劇でした。最後はどうなることだろうと、ハラハラしながら観ていました。何が一番幸せなのだろう、日々の平穏無事な生活を、みんなが望んでいることなんだ。納得納得!!でも、それを維持することが難しいことなのですよね“死ということ”、“戦争ということ”いずれも深く、重い主題だと思います。そのために、平凡な日々の暮らしがうばわれ、成り立たなくなってしまう。それでも明日に向かって、進んでいくネズミ達、否私たちの生きざまを見事に演じられました。前半はいささか退屈していましたが、後半の盛り上がりには、目を見張るものがあったと思います。ピアノの生演奏も大変良かったと思います。唯一残念だったのはセリフが細かい所まで聞きづらかったことです。高音域のセリフはよくひびき迫力がありましたが、早口になると聞こえにくかったと思います。久しぶりに楽しい舞台でした。

オペラと銘打つのであれば、もっと音楽的美しさが欲しい。

導入の段階からユーモラスでとっつきやすい演出で入っていきやすかった。歌や楽器が効果的に使われ迫力があり、洗練された動き、技術ハートに魅せられ、少し聞こえにくい場面もあったが、グイグイ引き込まれていった。車上でのリンの歌声はどこまでも澄み、心打たれ涙が溢れてきた。平和への希求、どうか世界中から戦争がなくなりますように! しかし容赦なく降る弾丸、理不尽なことなどまかり通る、どうしようもない無力感に襲われながらその苦しみをかみ殺し、自らを奮いたたせ、生きていくネズミたち。やるせなかったが、なんとしても生き抜かねば、そして少しでも世の中を良くしていかねばとネズミたちから強いメッセージを受け取った気がした。心に残る作品であった。

サムルノリの演奏に合わせた、孫悟空と妖怪の絡み、三蔵法師とのやりとりも軽快で楽しいシーンでした。戦争の悲哀も感じながらの2時間40分は短い時間でした。

鳴門例会カーテンコール

E-mailでのお問い合わせは、         鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
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