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はい、奥田製作所。

劇団銅鑼公演

鳴門市民劇場2013年11月28日例会 感想集

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鳴門例会カーテンコール

大変に、厚い人情劇を見せて頂きありがとうございました。感激の涙がにじみ出ました。登場する人達は善意の人ばかりでした。
  考えさせられたことは、果たして私たちは会社の危機に対して、このお芝居のように振舞えたのでしょうか?長い会社勤めの終わった今自問自答をしています。私の勤めた会社も中小企業の例に漏れず、(劇中の)リストラ・人事異動・コストダウン等を実施してきました。そして、品質に関わるコストダウンの場合は意見を述べて、私たちの手で行うことができたと思います。前半の劇中のコストダウンはトップダウンで、働く人の気持が痛いほど分かりました。
  劇中の製品の加工品の単位は1/100ミリメートル、私たちも1/100ミリメートル。製造に携わった人であればどのような世界であるかが容易に想像できると思います。そして加工品の許容範囲も決められることで多少難しさが緩和されます。それでも厳しい単位です。
  また、企業は利益を生むための仕組み作りをあらゆる場面で作成しており人の気持ちが介在することはほとんどないのが現実と認識しています。そして、人が大切かまたは技術が大切か?職人の技術が大切かまたはコンピューター技術が大切か?改革が必要かまたは現状維持は必要か?等々。経営者の葛藤が表情豊に表現された作品と思いました。お芝居の中では人の気持ちが報われる場面も多数あります。利益を産む為の仕組み作りも人の気持ち中心で作成できれば最高と思います。
  いずれにしても、中小企業のもつ利点を最大の長所となしたのが今回の「はい、奥田製作所」だと思いました。また、難しい課題を2時間に纏め上げ、仕事とはこのようにあるべきだとの思いも観ていて感じることができました。感動作品でした。          

身につけた技術は一生の宝。町工場の職員さんの底力が伝わってきました。日本人でよかった!生きる力が湧いてきました。

久々にほんわかと心あたたまる物語でした!

今年最後の例会を飾るにふさわしい作品でした。今、外は寒いのに心はこんなにあったかです。人を信頼すること、志を持って共に進むこと、苦しい時こそ助け合うことの大切さを教えられました。
  それぞれの人物がいきいきと描かれ、その人のこれまでの人生が浮かび上がってくるようでした。群像劇としてもすばらしく調和がとれていて二時間ぐいぐいと引き込まれました。
  技術革新が進む中で「モノづくり」をする人の技と心がないがしろにされている現代社会への警鐘ともいえる作品です。
  劇団銅鑼のみなさん、素晴らしい作品を本当にありがとうございました。まだまだお元気な鈴木瑞穂さんと握手をして感激しました。力をもらいました。ありがとうございました。

伝統を守り、技術を伝えてきた昔気質の人たちの生き方とITで片付けようとする若手の考えが、どうしても対立してしまう。今の問題をテーマにした、他人ごとではない、私たちにつきつけられた課題を、大変面白く演じられた。
  役者さん一人ひとりの個性がよく表現されていたと思う。
  次世代へ伝えたいことを、どうバトンタッチしていくか、難しいことですが、じっくり考える機会をもつことができた。良し悪しでなく、どう両者の接点を見つけ出すか、学ばせていただいたことに感謝です。
  鈴木さんの味のある演技がとても良かった。

今日、徳島で観劇をしました。
  人情味あふれる内容で私は今までで一番良かったです。

近年忘れがちな人の情けにふれるお芝居を見て感動し、温かい気持ちになりました。

現在の世代交代を表現しており、良かったとの印象です。でも会社規模によって、すべてが同じ方法が良いかは分かりません。

たいへんよかったです。
  うとうとすることもなく、じーっと見入ってしまいました。

たいへんよかったです。どのような職場でもこれが現実でしょう。親子両方の気持ちがよく分かる芝居で、うなずける事が何度かありました。人は皆同じ道をたどって経験をつんで辿り着くのでしょう。親父さんの言葉で、『人生最後には帳尻が合うようになっている』の言葉、よかったですね。

大変良かったです。
  東京の町工場の情景がセットになっておりましたが、良かったです。
  ほのぼのとした工場での人間関係。大企業ではないですね。
  また日本の技術の粋を垣間見た気がします。
  人工衛星の部品は中小企業から出ています。すばらしい事です。
  日本の高度な技術とほんわかなチームワークは海外にない日本の宝ですね。
  この演劇を通じて日本人のよさが理解できました。

「“ごめん”で済むなら警察はいらん」てな言葉をきくことがありますが、その言葉ひとつ言えないオトナがなんと多いことか。そんな、ため息が出るような今の世、「ごめんなさい」が言えたらまずはそれでいいじゃんという想いがあります。
  今回、たとえば瑞穂さん演じる竹夫の台詞で心に染みるものは、もちろんたくさんあったのですが、一番グっときたのはなぜか鉄彦が薄暗い事務所の片隅で、自分がクビにした青年の家の留守電に「私が間違っていました。できればかえってきてほしい」とメッセージを入れるシーンでした(“留守電メッセージ”というのがまた効果的だったなあ)。
  この作品、実は2009年に一度観ています。当時も、ものすごく心に残って是非例会にしたいとずっと思ってきました。だけど今思うと、初回に観たときから抱いてきたこの作品の印象は今回の感想とは全く異なるもの。ずっと、「若いダメ社長が何もわかっていないダメ社長で、やることなすこと見当違いなことばかり。社員のクビきりもいとわない態度についにオヤジ社長が“クビはお前だ!”と一喝するシーンがもっともスカッとして大いに盛り上がる」(笑いの要素が多い作品)と思ってきましたが、今回の自分の観方はまったく違っていた。今回は、どういうわけだかその“ダメ社長”鉄彦にとてもシンパシーを感じる自分がいました。もちろん鉄彦のやり方に賛同するということではありません。でも、すでに固まっている世界(自分の実家の会社ではあるけど)に飛び込んで、現状を打破しないといけない責任を負わされ、何かを変えていかなければ…と必死になる姿は、いくつかの方法が誤ったものであっても、そこを一概に非難することはできないように感じました。それに、彼がやったこともすべてが間違いではなかった。社員を外(営業)にも向かわせて、モチベーションアップにつなげることができたのは大きな成果。色々やってみないとベストな道はみつからないということも描かれているかと思いました。
  人は、間違いも犯すし、他人(ひと)を傷つけることもしてしまうし、その挙句に自分をいためつけることもある。でも大事なことは、誤りに気づいたらきちんと「ごめんなさい」と言えること、そして、方向を修正すること。そういうことに今回はとても胸が熱くなりました。
  初回に観たときには「竹夫が正しい。鉄彦はバツ」という単純な公式が結論だった自分でしたが、二度観ることでこんなに深い精神体験ができて…お芝居ってやっぱり素晴らしい。

初めての観賞ということで緊張して参加しました。
  舞台装置が本格的で驚きました。
  そしてプロの役者さんの演技にひきこまれた2時間でした。
  「職場とは」「人間関係とは」「家族とは」「人生とは」「仕事とは」等考えさせられるテーマで、帰りの道中一緒に参加したサークル仲間といろいろ話をし、充実した時間を過ごすことができました。
  これからの例会で楽しみです。
  お世話になりました。

鳴門例会カーテンコール

今回の劇で一番心に落ちた言葉は、28歳の女性社員、磯野さんの漏らした、「働く意味を考えることは、いけないことですか?」でした。
  この場面で彼女は、2代目社長鉄彦の急な方針転換に自分の働く意味を考え始めますが、モヤモヤしたまま答えは出ていません。一方、自分のことしか見えていない鉄彦は、「働く意味なんて必要ない」と言い放ち、彼女は仕事を辞めようかと思い悩むようになります。
  しかし、物語の後半、社員達が一丸となって商品開発や営業を始めた奥田製作所では、仕事を心から楽しむ彼女の姿を見ることができます。
  奥田製作所には2人の経営者が存在します。カリスマ肌で確かな技術を持ち、人を惹きつける魅力を持つ竹夫と、その息子で、企業の技術屋として失敗し転職してきた鉄彦です。
  この物語は、鉄彦が現在と過去を重ね合わせて周囲に目を向けるようになる成長がメインですが、同時に磯野を含めた社員たちも大きく変化します。彼らは当初、竹夫のカリスマに惹きつけられ、自分の仕事に誇りを持って働いているようですが、同時によく知らない分野には興味を持たない視野の狭さを持っています。鉄彦の空回り気味の頑張りに、頑張っていることは認めながらも社内の雰囲気は一度険悪になりますが、この、最悪の状況は彼らにとっても必要な過程だったと思います。
  得意分野以外の、営業にもがむしゃらに取り組んでみる。自分の仕事を他者に売り込み、評価してもらえる喜び。
  竹夫の輝きを見て、その背中を追いかけていた彼らは、やがて技術者としては一流になったかもしれません。しかし、物語の最後のような広い世界は持てなかったはずです。
  組織にも色々な形があります。どのような組織も、一長一短があると思います。鉄彦には目立つ優秀さはありませんが、だからこそ、一緒に悩んだ社員たちも成長できたのでしょう。
  一部の「できる人」だけの話ではない、私達の身近に感じる人たちの生活を見せる、素晴らしい作品でした。

日本の物づくりの原点は、この小さな町工場にある。
  かわらなきゃいけないことと、かわってはいけないことをていねいに、わかりやすく、そして楽しく、時にはほろ苦く描いた秀逸の作品。
  登場人物が多すぎて理解するのに大変でした。

「やらなければ何もかわらない」という鉄彦さんの言葉にじ〜んときました。最初は間違ったやり方で失敗も多く、これまでに築き上げた技術や人間関係もダメになったけど、ものづくりの情熱や周囲の人達の温かさ、助け合いで困難をのりこえ、明るい夢や希望がもてるようになってよかったです。ひとりでかかえこまず、協力しあってやっていくことが大切だなあと思いました。

一気に2時間を走りぬけた感じでした。
  声の聴き取りづらい場面もあったけれど今年最後を飾るいい劇でした。どうもありがとうございました。

突然倒れた父親に変わり新社長となった鉄彦の方針は、人の育成よりも経費削減を第一優先とし、社員の心は離れていった。ひどい奴だと思う一方、人目につかないところでは努力し、悩み、決して悪人ではない。先代社長は、親分肌で人情味ある昔ながらの経営者。倒れたとはいえ、社員からの支持は厚い。鉄彦は孤立していく中で誤りに気付き、少しずつ変わり始める。社長が変われば、社員も変わり、会社も元気を取り戻す。チーム力が復活し、新しい技術の芽も出始め、小さな町工場、奥田製作所の未来は明るい。出来すぎた結末だがハッピーエンドもいいと思った。
  人と人との信頼関係、チーム力、技術の継承、それが将来に希望をもたらしてくれることをこの劇は教えてくれた。しかし、これは劇の中での話、現実は厳しいのかなとも思う。私も製造会社の一社員としていろいろと考えさせられた劇でした。

世代交代がある時必ずと言っていいくらい起きる問題を取り上げていました。歴史を熟慮し、将来を見据え、現状とどう折り合いをつけてゆくか、なかなかスムーズにはいきません。

大ブレークした「半沢直樹」は銀行員が主人公のドラマだったが、銀行と取引のあるいくつかの町工場とそこの社長や従業員が登場した。取引先が倒産すれば連鎖して倒産する様な小さな工場で、他所にない技術があっても社長が資金繰りに苦労している様が描かれていた。「はい奥田製作所」はそんな町工場で働く人たちが主役の話だ。倒れた奥田社長といい、石川鋳造の石川社長といい、人情味があって、誠実に仕事をしている人たちだ。話の展開にはまるで家の隣にある工場の様子をのぞき見ている様な臨場感、親近感があり、職人さんたちの仕事にかける情熱が伝わって来て、心を打たれた。自分も彼らのような姿勢で仕事と向き合いたいと思った。

食品偽装問題が報道されている時期に観て,品質の良いものを作ろうと誠実に仕事をする従業員らから正しいことを教えられた気がしました。仕事に誇りを持って働き,大事にされていると実感できる場所があることの大切さを考えさせられました。

休憩なしの2時間の上演は、大変充実した時間となった。
  小さな町工場を舞台に働くことや生きることの意味について考えさせられた。
  鈴木瑞穂さんの重厚な演技力に大変感動した。

休憩なしの2時間、あきずに(あきさせずに)観劇できた。
  町工場の陣容、親子の相克、人と人とのつながりの中で仕事が生まれ、活きていく。町工場ならばでの技術が企業を成長させていく。
  中小企業の労働者家庭に育った私にはとても親近感のある舞台であった。亡夫の叔父も東大阪で町工場を営んでいたということも因あり?
  上演後のロビー交流会も久方ぶりに参加。生で(舞台以外)役者さんの話を聞けるよいチャンス、鈴木瑞穂さんの存在が大きく、生きる源をもらったように思った。

まず、鈴木瑞穂さんの声量にびっくり。さすがに…と感心する。今、町工場をはじめとする下町の零細企業の経営はとても厳しく大変苦労をしている中で、社員達が慣れない営業に出て注文を取って来たり、力を合わせて工場存続にこぎつけたこと、父から息子そして従業員へと受け継がれる団結力は圧巻でした。
  「成せば成る」の心意気を感じました。

舞台がはじまって寒々した空気感から徐々に暖かくなり、最後の感動につながるお話に胸が熱くなりました。
  型はちがっても、親子の考えの違いや人の関わり方の大切さは同じだと思いました。ありがとうございました。

父・竹夫が経営していた町工場の従業員は昔ながらの機械工作にかなりの自信をもっていたにもかかわらず、後を継いだ息子の新しい経営に同意できなく、リストラされていくことに反発をくり返している状況をなんとか解ってもらえるようにと努力をする鉄彦。新しいコンピュータ制御によるNC旋盤の導入を従業員に理解させることをあきらめず「働くこと」や「生きること」を同意を求める姿、
  「はい、奥田製作所。」は本当にすばらしい作品だと思う

町工場で働く人たちの生活、苦労、喜び、苦しみ等々が細かく丁寧に描かれており、良かったです。世代交代、技術の継承、経営を維持するためのリストラ等、すべて現在の中小企業が抱えている問題がリアルに提起されていました。
  ややハッピーエンドの感はしましたが、人と人の結びつき、支えあい、思いやり等の大切さが、日々の生活に根ざして演じられていたので、共感して涙することもありました。
  町工場をテーマに小説を書いた小関(こせき)さんは、町工場で旋盤工として51年間働き、その後小説などを書いている方とのこと、その経験が盛り込まれたからこそ、真実味のある作品の誕生したのだと納得しました。
  86歳になるという鈴木瑞穂さんのよく通る声は、本当に素晴らしいものでした。  

町工場という舞台で、効率や売上では替えることのできない職人の業や勘、なにより信頼関係の大切さについて感じることができました。昔からの絆や約束を大切にしていると、きっと結果も上手く行く。希望のあるお話でとても好きです。

町工場はあのようなものだろうと思った。
  「もちつもたれつ」という言葉があるが、まさにそれがよくあらわされていた。
  人を裏切らない、誠実さの重要さを痛感させられた・

町工場で懸命に働く職人さんたちの確固たる技術力、プライドといった視点から観ると、新鮮味に欠ける作品だったかな、と思う。しかし、その町工場を舞台に描かれたもう一つのテーマは、人が生きていく上で本当に大切なモノは何かということを考えさせる、心温まるいい芝居だった。行き過ぎた資本主義、行き過ぎた合理主義といったもので不愉快なことも多い昨今であるか、この作品は観る者を気持ちよくさせてくれるいい芝居だったと思う。

変革を迫られる中小企業の切磋琢磨の話で、非常に共感する部分が多く、他人ごとではない心持で鑑賞しました。中盤までの上手くことが進まないところは、息が詰まりそうな想いだっただけに、結末はすごい浄化を感じました。話のフラグ立ても分かり易く秀逸で、それが鉄彦の成長に繋がっていくのは観ていて気持ちが良かったです。鉄彦の成長からは多くのことを学べるかと思います。個人的には上司に観てもらいたい内容なので今回は残念でした。

世界に誇る“ものづくり”を支える町工場、世代を通して親子三代の価値観の相違で深まる溝、さまざまな問題をかかえながら工場を再建していく過程がリアルに表現されていた。
  主人公の気持ち、父親の想い、家族や職人たち、工場に関わる人たちの様子がとても身近な問題のように感じた。
  百分の一ミリの違いを指の感覚で感じ取った瞬間のおどろきやよろこび、仕事に誇りを持ち、あらゆる工夫をこらしながら“ものづくり”挑んでいく。そして仕事を楽しみながら製品を完成させる。
  機械で大量の製品を作る利益優先の現場では“ものづくり”による達成感は肌で感じ取ることができるのだろうか。
  義理人情、礼儀作法について口がすっぱくなる程いっていた父の言葉。品格が備われば“もの”にもその人の品格が表れてくるものだ。丹精込めて作られたものは使い手にも大切に扱ってもらえるものだ。舞台を楽しみながら父のそんな言葉をなつかしく思った。

鳴門例会カーテンコール
鳴門例会カーテンコール写真は劇団の許可を得て鳴門市民劇場Webページ作成委員が撮影しています。

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