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「殿様と私」

文学座

鳴門市民劇場2011年12月4日例会 感想集

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鳴門例会カーテンコール

足の不自由な妹さんの出演が大きくこの劇に影響していると感じました。
  みなさんの熱演に感動しました。
  2012年もリフレッシュできる演劇を待っています。

文明開化が進む中で、頑なに武家社会を貫こうとする人間の葛藤と時流に乗れない男の悲哀をユーモアたっぷりに描く舞台は楽しい。
  望むらくは、殿様が鹿鳴館で堂々と踊る場面など、もっと踊りの場面を増やして楽しく華やかな舞台にして欲しかった。
  カーテンコールで皆が踊ってくれたのが救いだった。

明治の子爵でも、普通の人でも急に西洋化になじめないのは誰も同じだと思います。
  少し言葉が聞きにくかった所もありましたが、途中からわかって来て、最後は世界におくれない様に外国に負けないでついて行く事が大切だなと思います。それが今の時代につながっているのではないでしょうか。

父親の娘に対する愛情・星智也さんの美しい声。
  「本当の芝居を観た」という満足感で一杯でした。

明治維新「文明開化」の世となり、時代の波に乗り切れない殿様と源右衛門のコミカルな仕草に笑いのある楽しいお芝居を見せてもらいました。

源右衛門さんや義晃さんやカネさんのコミカルさに笑わされ、三太郎さんや雪絵さんの心情に涙し、アンナさんの娘さんを亡くした悲しみにふれ、ジョンさんは声はいいんだけど女たらしだったりと面白い芝居でした。
  ダンスはアメリカ西部の開拓時代のダンスでしょうか楽しそうでした。

ラストが楽しいダンスで、待ってました。って感じで、うれしい気分になりました。

1.加藤武の顔の大きさが際立っていました。加藤武はその昔のNHKテレビドラマの「わが道を行く」でオマリー神父の声でした。「一丁目一番地」の声優の名古屋章と並んで、「声と顔が違う」を実感させてくれた俳優さんです。
2.殿様役の役者さんはよくできていましたね。素人の私がこんなことをいうのも変ですが、演技が自由自在という印象を受けました。年の功でしょうか。声にもホレボレしました。
  本を書いたひとは高名な方ですか。おもしろかったです。

ほのぼのとした情感を共有できました。

休憩を挟んで2時間半ぐらいでしたが、時間が経つのが早かった気がします。

面白かったです。
  明治も今(TPP)も日本は常に海外とのお付き合いに振り回されているんだなぁと感じました。(まさに歴史は繰り返す!)
  そんな中で、各人が各人なりに海外と向き合っている姿が印象的でした。
  特に登場人物が伝統を重んじる人、国の将来を重んじる人、個人の在り様を重んじる人と 重要視する事柄が違うため、どの人も正論であるところがよかったです。
  さらにいえば、結局のところ、一緒に踊ることが一番正しいと言わんばかりの クライマックスが(直前に意思疎通がまったくできてない分)痛快でした。

楽しく観ることが出来る内容でした。
  最後の場面で、言葉が通じなくても語りあって、ダンスするというところが特に心温まる感じがしました。

とても贅沢な芝居でした。一瞬のうちに世の中のすべてが変わってしまったあの時代、「殿様」や源右衛門のように変化にまったくついていけなかった(ついていきたくなかった?)人の数は決して少なくなかったことでしょう。そんな人たちのことを、コミカルに、でも切々と描いているのかなあと感じた時間帯がありました。またノルマントン号事件に象徴される、欧米とどのように向き合うのか日本人の考え方がさまざまに揺れたこと、それを描いているのかなあと思えた時間帯もありました。たくさんの魅力を携えてやってきた欧米人に憧れ、でも裏切られたり通じ合えなかったりで傷つく人もいた、そんな当時のひとたちの戸惑いを雪絵に投影して描いているのかなあと思えた時間帯もありました。さらには全く言葉が通じない(なので余計に心も通じないと思ってしまう)仲でも語り合ううちに光はみえてくるもの…ということを描いているのかなあと思えた時間帯(ラストですね)もありました。たくさんのエピソードが次々に舞台で表現されて、実は、観ているときには切替えが難しかった。「殿様」の心の変化も、あっさりしているようで、でも実は手ごわいようで、本当のところがよくわからなかった。でも、その混沌とした状況があの時代そのものなんだ、と、あとになってじっくり思えるようになってきています。軽い作品かなと思いましたが実際はかみごたえがある作品なんだと、あとになって感じています。

文明開化華やかなりし頃、時代の変化に目を輝かせる世代とそれに取り残されそうになりながらもうまく折り合う術を見つける世代というともすれば深刻になりがちな話を、軽妙な掛け合いとかわいらしさあふれる人物描写、そして何より役者の方々の間の上手さで、うまく笑いを交えながら進行させていく様は圧巻でした。
  殿様がダンスという異国文化に慣れるまでが主題になるのかと思いきや物語は二転三転、娘を傷つけながらも違う生き方を開かせてくれた異国文化と、最後は建前ではなく歩み寄り、異国人である婦人と独白とも対話ともつかない酒の席を交えながらのダンスシーン(形あるものはいつか壊れる!)、そしてその背景には季節の移り変わりを示すように雪が舞っている、締めまでしっかりとまとまった作品で非常に楽しめました。
  また、舞台装置が一つしかない芝居を見るときにいつも感じるのですが、同じセットの中での時間や季節の移り変わりを示す、光の表現の見事さです。
  私たちが普段何気なく見ている室内の明かりも、その色でそれが夏の日差しなのか、夏の嵐なのか、白い光あふれる日中なのか、それとも夕焼けから夜中、肌寒く白い冬の朝へと続く変化なのか、言葉での説明は最小限に、観る人に想像させてくれる舞台をもっと楽しんでいけたらと思います。

「殿様と私」は、期待以上でした。
  演技の可笑しさだけでなく、ストーリーにもメリハリがあり、最後はちゃんとハッピーエンドになってほっとしました。とても面白かったです。

日本の夜明けが進む中でまだまだ西洋化になじめない殿様一家。
  米国人女性 アンナ・カートライト夫人との交流、素晴らしい舞台を展開していきます。
  白河家の家令(雛田源右衛門妻カネ)共に武家のしきたりや行儀作法など演技に表れていました。勉強になりました。
  いつ、ダンスが見られるかとドキドキしながら待ちました。白河家当主子爵の着流し姿とアンナ・カートライト夫人のドレス姿で意気の合ったダンスが見られました最高です。ことばが通じなくても心とこころは通じ合える。別れの前に人間の絆が築けてよかった。
  多額の建築費をかけて落成した鹿鳴館、外国賓客の迎賓館として落成。舞踏会、園遊会、バザーと催事が開かれるなか、殿様のような日本人が西洋文化を体験して行く時の流れ、時代の変化を感じました。
  今までに観劇した文学座の舞台を思い出した夜でした。

今回、たかお鷹さんのインタビューに参加させていただきました。
  「この物語は『変わる』物語である。変わるとは他者を受け入れる、ということである。殿様はじめ登場人物みんなが成長していくんです。」ということを、観る前にお聞きしていたので一人一人がどう変わっていくのか?という点をじっくり見ることができました。インタビューに参加していなかったら、思い至らなかったと思います……。
  家から出ることもできなかった雪絵が最後一人でアメリカへ!おお〜、良くやった雪絵!!
  そして今回はなんといっても交流会がとても楽しかったです。
  劇団のみなさんのステキなブルースハーモニカ演奏が聴け、とっても感動しました。劇団のみなさんの仲の良さが伝わってきてすごく濃い1時間でした
  まだ交流会に参加したことのない方、ぜひぜひ次回は参加してみてください。思いがけない楽しいことが待っていますよ。

(※交流会はどなたでも参加できます。事務局に声をかけてみてください)

鳴門例会カーテンコール

 白河という姓が武士というより公家的であったが、加藤武さんと会えて良かったです。  もっとダンスが見たかったです。

楽しかったです。
  芝居以上に目も楽しませていただきました。雪絵のきものは色、模様、袖の長さ……ワクワクしました。殿様と親子で五つ紋の紋つきだなんて…とくに外出先から帰宅した時羽織かな?羽織丈は?いや道行のコートかな?と思いきや何と「被布」だった時は「ええ〜…って」とびっくりしました。全く想像していなかったのです。お出かけ時は被布を着た時代だったのだとひとり納得しました。
  とてもステキでした。

ベースになったという「王様と私」の映画も見ていないが急速に欧化政策を進める明治初期の時代の子爵家のドタバタ、向き合い方が家令や息子、娘達を巻き込んで展開していくのが面白かった。もっとダンスの場面が出てくるのかと思っていたが最後の方で殿様と指南役のアンナ夫人のステップがみられ納得した。
  雪絵役の人は足の不自由な所作で大変だなあと思った。
  舞台装置は終始変わりなく一幕二幕の緞帳もない芝居。久方ぶりの二幕物で上演時間が少し長く感じられた。終演後の舞台挨拶でたかお鷹さんが年末退会のことにふれられたのは観客と役者さんとの作り上げる鑑賞団体をしっかり認識しておられると感じ嬉しかった。
  加藤武さんの軽妙重厚な演技にはさすが文学座と感激!!

明治19年急速に西洋化していく時代の様子をユーモラスに表現されていた。
  座席はA席だったので役者さんの声・表現までもよく伝わり最後まで楽しめた。また衣装もすばらしく、特にアンナ・カートライトの衣装にスタイルもよく、みとれました。

今回はC席だった。C席に座るのは初めてだったが、残り30分間はお尻が痛くてたまらなかった。妻も同じことを言っていた。
  さて劇の感想であるが明治という時代を改めて考えさせられた。
  文明開化の波に乗る者。乗れない者確かにいただろう。
  「殿、踊りましょうぞ」このセリフが気になっていて、いつ出るのだろうかと思っていたら、ラストシーンだった。それだけに印象に残るすばらしいラストシーンとなった。

 明治時代初期を時代背景にして当時の上級階級のありさまがコミカルに演じられた。わかりやすい筋立てであり、少数の登場人物を感じさせない演劇であった。熱演であったが、声がはっきり聞きとれないことがあったのは残念であった。

ひさしぶりによく笑いました。

@面白かった。明治維新の王政復古、断髪令、鹿鳴館外交と一斉に西洋化が進む時代の中で「こんなこともあるわなー」と思わせる、一見滑稽な事件が次々と引き起こされる。……が本人達は極めて真面目! 自分達は正しい事をし、言っていると!。
  最後まで先の筋書きが予測できず、面白く、緊張感を持って観ることが出来た。
A確かに人の生き方、価値感など簡単に変えられるものでない。又殿様も唯に頑迷固陋ではない。常に家族・郎党の将来を思い国を憂う。
B一方息子の義知中尉に諭されて、白河家の名誉と見返しの為、殿様は西洋ダンスを習うが、米国夫人アンナ先生の感化を受けて、ダンスの喜びを知り、将来に向け個人の自信と意欲の大切さを知っていく。この当たりは殿様も一方的に敗けておらず、日本家族文化の良さ、一族郎党一人ひとりお互いに心の通った思いやりの様子がほのぼのしたものを感じさせてくれた。まさか源右衛門が切腹までいくとは思わなかったが……。
C最後に義知のヨーロッパ行きと同時に愛娘雪絵の渡米も許し、自立した淑女たれとアンナに預ける。圧巻の殿とアンナの酒を酌み交わしながらの独白会;急にお互いの心が開かれていく。最終ダンスの笑顔は悟りと自信の表れか?
D若い頃ユル・ブリンナー、デボラ・カー主演の「王様と私」の映画看板が印象に残っているが、今からでもその名作映画も見てみたくなった。

“王様と私”をベースに明治維新と共に西欧化する日本に封建的な文化に固執する子爵、外務卿の書生と白河家・家令との一悶着を発端に米国人アンナとの心の交流、二人をとりまく様々な登場人物との織りなす出来事を涙と笑いで綴った、パロディ作品
  私たちの意表をついたあの名舞台“赤シャツ”マキノ・イズミ氏の傑作、様々な賞受賞した文学座の舞台。“ゆれる車の音”でのたかお鷹さん、まだ興奮さめやらぬときに早くもお二人に再会できるとは何て幸運なことだろう。
  家族愛、親子の愛、兄弟愛、主従の愛、他人の愛(思いやりや気くばり)様々な愛のかたちを笑いと涙で私達を魅了させてくれた。
  いつの世も古き良きものは尊重し後世に…新しきものは素早く取り入れ、時代の流れに乗り遅れることなく順応していくことの大切さを痛感した。
  2時間35分もあっという間に過ぎてしまった。
  舞台の上から役者さんが声を大にして市民劇場の会員さんに呼びかけて下さった。本当に感動した。
  “ちょんまげ”と聞くと昔、兄が祖父のことを話していたことを思い出す、“断髪令”が出たあとも周囲に目もくれず、しばらく、ちょん髷を結っていたと…洋服姿で“ちょんまげ“、想像しただけでも吹き出してしまいそうだが、“殿様と私”を観た後となっては祖父のささやかな抵抗?いたしかたないかな?

今のTPPのように時代が変わる時には守りたいという勢力と、変えたいという勢力がせめぎあい力の強いものが勝ち残っていくのでしょうね。
  「殿様と私』では変えたいという勢力がかつぎだしたシンボルが「鹿鳴館」、美しいものにはとげがありました。
  殿様も本意でないことでも受け入れなくちゃならないことがおこることがある。
  ラストのダンスは殿様にとってどうだったんだろうか。

とっても楽しく観せてもらいました。
  時代錯誤の殿さまと家来、笑わされました。でもその中で人を見ぬき息子にも娘にも次の時代にしっかり生きる力とやさしさを大切にすることを求めている。やっぱり「文学座」だなと思いました。

とてもシブイ演技の中にオチャメな一面があり、十分楽しませて頂きました。

ストーリーはとても面白くて素的でしたが、カネさん以外の女性の声が聞こえにくくて残念でした。

個人的な感想、少し残念な部分が多かった。
  特に、途中途中で入る手紙を読むシーン。とても大切な役目があるとは思うが、流石に多すぎてしまったのかせっかく舞台の中に入りこめたと思ったら、手紙のシーンという風になってしまった。
  しかし、最後の先生とのダンスシーンはとても感動し、とても楽しい気持ちで観劇し終えたと思う。
  なので、今回は「ふつう」とさせてもらった。

「劇団にとって,市民劇場の会員は宝物です。願いは,その宝を増やしてほしいことです。」
  幕後のステージで,たかお鷹さんが話された言葉です。今回は,前例会の会員数をクリアしたけれど,年末退会が多いのを危惧されての声かけかな。
  テキパキとした舞台づくりと後片づけ……会員さんと劇団のスタッフ,キャストの息のあった作業で,22時には文化会館を出ることができました。感謝!

「殿様と私」……
  今回は,シナリオを読まずに観ました。
  無理がある筋なれど,時々に笑いあり,怒りあり,楽しむことができました。
  殿とダンス教師との,独白的は対話がGoodでした。

鳴門例会カーテンコール
鳴門例会カーテンコール写真は劇団の許可を得て鳴門市民劇場Webページ作成委員が撮影しています。

E-mailでのお問い合わせは、         鳴門市民劇場ホームページ
nrt-geki@mc.pikara.ne.jp
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